
一般的にイタリア人は時間に”ルーズ”、”いい加減”と言われています。果たしてそうでしょうか?長年イタリアで暮し、仕事をしてきた経験から言って全くその通りだと思います。”いい加減”を超えて”酷い”に思いっきりメーターが傾いている感じがあります。初対面だろうと友人だろうと、老若男女問わず時間に関してはこんな具合です。
CIRCA又は、VERSOと言うイタリア語があります。およそ、だいたい、とか言ったニュアンスで使用します。時間を約束する時にこれらを彼らは使います。つまり、時間ピッタリにと言う感覚はありません。日本人だと仕事の約束で時間を決めた場合、大体少し前に来ます。イタリア人と仕事で時間の約束をして時間前に来る事は稀です。(絶対にないとは言いませんがね)これは人同士だけではなく、電車等交通機関でも似たようなものです。中央駅で列車の時刻掲示板を見ると酷い時だと半分以上が遅れていると表示されています。イライラしているのは大体が外国人観光客です。限られた時間で移動しますからね、当然です。それを横目にイタリア人は、慣れたものです。遅れた時間を見ても”あっそっか”てな感じで動揺する様子は全くありません。

フィレンツェからミラノへ出張する際に一度大変な事がありました。家を出るのが遅れてしまい発車ギリギリの時間にフィレンツェ中央駅に到着しました。掲示板で列車番号と出発するホームの番号を確認しました。丁度、フレッチャロッサ(イタリア版新幹線)がそのホームに止まっていたので”やった間に合った”と思い急ぎ乗り込みました。乗り込んだと同時にドアが閉まり出発しました。ホット一息です。しかし、問題はここからなのです。予約した席に行ったらイタリア人のマダムが座っていました。図々しい人だなと思いましたが、この様な事はイタリアでは日常茶飯事です。マダムに”マダム、そこは私の席ですよ。この通り私のチケットを見て下さい”と言うとマダムが ”変ね、私のチケットもこの席なのよ”と言われました。えっ!まさかチケットのダブルブッキングなのか!と思いました。他の国の想定内と比べイタリアでの想定内は倍以上に許容範囲を広くしていなければパニックになります。それなりに心の準備をしていたわけですが、”まさか、列車のダブルブッキングもありか?また、やられたな、仕方ない車掌が検札に来た際に言おうと思いました。で、車掌が来たので思いっきりクレームを告げると、”あんた、この列車はナポリ行きだよ” ”えっ!” 身体が固まったのを覚えています。ふっきれて、冷静になり次の停車駅のアレッツォででミラノ行きの列車に乗りフィレンツェでフレッチャロッサに乗り換えてミラノへ何とか到着しました。(当時は、フレッチャロッサは自由席がありました。現在は全席指定になっている筈です。現在は自由席がないので、この方法が使えるかわかりません。)再び逆方向のアレッツオからフィレンツェに到着した時は何とも言えない複雑な思いになりました。間違えた原因は、乗る予定だったフィレンツェ発ミラノ行きは遅れていたのです。慌てていたのでそんな事も考えずにホーム番号だけを見て先に出発のナポリ行きに乗ってしまったわけです。当然、仕事のアポは大幅に遅れた事から全てのスケジュールが狂ってしまいました。
自業自得です。イタリアでは慌ててはいけないのです。もっと酷い事になります。

以前、イタリアの企業で人事に携わっていた時期がありました。求人を出し面接をするわけですが、10人の内に10人は(一人ずつの面接)、面接の時間に遅れてきます。10人の内に3人は来ません。場合に依っては自分で日時を変更して来ない猛者もいます。その時の事を覚えていますが、怒ると言うより”凄いな、面接でしかも自分で日時を指定しておいて来ない”、暫く、ボーとしてしまいました。採用の面接でこのありさまですからね。時間厳守と言うのはイタリアではあり得ない事だと思います。
日本で勤めていた頃、仕事の待ち合わせとなると、相当早めに行って待ち合わせ場所を確認して、その後、その周辺でブラブラして時間を潰して約束時間少し前に待ち合わせ場所に行くようにしていました。それが当たり前だと思っていました。その感覚でイタリアで仕事をすると精神的にまいってしまいます。
時間厳守と言うのは世界的な道徳だと思います。ただ、その許容範囲が国や地域に依って大分異なります。ラテン系では、30分遅れでも時間を守った事になるでしょう。60分遅れでも”車が渋滞して” ”電車が遅れて”等と言った言い訳が必ずつきます。つまり、条件つければ60分遅れでも許容範囲とされます。しかし、これが相手が公共サービスだと事情が大分異なります。次回になるか?わかりませんが、”凄まじきイタリアの公共サービス”と言うのも書きます。









































