イタリア人のファッション

イタリアのバールBAR エスプレッソとアペルティーボ(ハッピーアワー)

スターバックスミラノ Starbucks Reserve Roastery Milano

ミラノにスターバックスは2023年12月現在で10軒もありません。ミラノでもこの旗艦店はDUOMO大教会に近いので観光客も多く賑わっています。しかし、その他のミラノにあるスターバックスはどこも比較的空いている時が多いです。何故か? 

イタリア人がスターバックスが嫌いと言う事ではなく、習慣の違いだと思います(例外はあります)。スターバックスはテーブルで席についてコーヒー等を飲みながら寛ぐスタイルです。イタリアでは、コーヒーは立ち飲みが多いのです。BAR(喫茶店)に依ってはテーブルを殆ど置いていないところもあります。朝はカプチーノと甘いパン(ブリオッシュ等)、それ以降はエスプレッソ(カフェマッキャート、DECAFE<カフェイン抜き>)です。さっと飲んで、さっと立ち去る。そんなスタイルがイタリアのBAR(喫茶店)です。

イタリアでは、生活関連品に関しては政府が価格統制をしていますが、その中にBARでのコーヒー立ち飲み代金も含まれています。それ程にイタリア人にとってのBARでの立ち飲みコーヒーは生活と密着しているわけです。

どこの街でもよくある生活密着タイプのBARです。カウンターでエスプレッソを頂きます。 タバコ、収入印紙、公共交通のチケットやチャージ、宝くじ等も買えます。小さな街だとちょっとした集会所になっています。

観光客の多い街中のBARではテーブルを用意してあります。そういったところでは席についてゆっくりとコーヒーやお好きな飲み物を頂く事が出来ます。しかし、席に着いた場合のコーヒーの値段は、政府の価格統制とは関係なくなります。つまり、高い値段を覚悟しなければなりません。(中心地を外れていれば席についても値段が同じ場合は多いです。)それでも、その景色の中でゆっくり出来る事に価値観を考えれば高くないとも思えます。(観光旅行)ただ、イタリア人向けではありませんね。

イタリア人は席についてゆっくり話をする事がないのか? 日本の様な喫茶店の利用は馴染まないと思います。しかし、仕事が終わった夕方からBARも変わります。どう変わるのか? 

Barは、朝早くからスタートして夕方には閉めるタイプと朝から夜中までやっているタイプとあります。

どちらも昼は簡単な昼食を提供しています。小さなバールだとパニーニ(イタリアのサンドイッチ)、テーブルなどあるところではプリモ(パスタ、リゾット、サラダ類)とセコンド(肉料理や魚料理)を提供しているところもあります。レストランよりも価格的にはリーズナブルなところが多くかなり混みます。

APERTIVO-ハッピーアワー

ミラノのアペルティーボ ハッピーアワーは1ドリンクにつまみがつきます。

BARのハッピーアワー(APERTIVO)と言うのがあります。大体、BARに依りますが、大体夕方の5時位から始まります。コーヒーや紅茶を飲むのではありません。アルコール類1杯に色々なおつまみがつきます。(ソフトドリンクではおつまみが付かない場合もあります。)以前は10€でしたが、近頃は12~15€と大分値上がりしています(有名ホテルの中のAPERTIVOは更に値段が高いですが、お洒落で感度がとても良いので一度トライしてください)。

それでも、場所に依っては結構良いおつまみがついています。夕飯を食べないでお腹一杯になってしまうかもしれません。夕方の6時位からぽつぽつお客さんが入りだして8時頃は大分混んでいます。ハッピーアワーは大体8時位で食べ物がなくなるところもあります。それでも、週末等は時間が遅くなるにつれてどんどんお客さんは増えて行きます。やがて、BARの中や外だけではなく通りも立ち飲みのお客で賑わいます。この手のBARは夜中まで開いています。週末は、その後、クラブへと人は流れます。

イタリアに来たなら是非一度はBARのAPERTIVO ハッピーアワーを体験してみてください。

イタリアの物価ー2023

イタリアの物価ー爆上げが続いています。大幅な物価高に対して賃金上昇は追いつかず。

COVID-19以前と比較して公共料金の値上げはイタリアでは2倍とか当たり前になっています。その他でも、なんで?って思えるものが大幅に値上がりしています。 ”イタリア式 ボッタクリ便乗値上”げです。

イタリアで暮らし始めたのは1996年の12月、それ以前は出張ベースで2~3か月に一度、イタリアに来ていました。2016年の9月からミラノで暮らし始めました。その当時、地下鉄の切符は1ユーロでした。そして、一日券が3ユーロでした。

ミラノの公共交通は、地下鉄、トラム、バスがあります。チケットは共通で使用出来て更に60分以内であれば乗り降り自由と言う非常に優れものでした。

2023年の現在(頻繁に料金が変更されますので注意)においても、共通で交通機関が利用出来て60分以内乗り降り自由ですが、料金は、

1.1回券 2.2ユーロ (90分利用可能)

2.一日券 7.6ユーロ

3.3日券 13ユーロ

1回券は、60分が90分なりましたが,どの券も倍以上(観光客から取れるだけとる)

例えば、東京の地下鉄初乗りが150円だとして、5年後に一気に300円になった感じだとどう思いますかね?(東京と大阪の地下鉄料金は世界最高水準に高いです。しかし、一気に上がったと言うより元々高かったんですよね。)勿論、ミラノの公共交通も一気に上がったわけではありません、例えば一日券、3ユーロから4ユーロ、そして5ユーロ、7ユーロで7.6ユーロ(少し誤差があるかもしれませんが)、僅か5年の間にこんなに頻繁に値上げしたわけです。

イタリアは、日本と異なり、一般的には交通費の支給はありません、自腹になります。

定期券は2016年では35ユーロだったのが、2023年では39ユーロです。(26歳以下はもっと安いです)こちらはそれ程値上げされていません。普通にチケットを購入する人は観光客なので観光客をターゲットにした値上げ大きいですね。それと、定期券を他のチケットの様に倍以上の値上げをしたら凄まじいストライキの嵐となりますからね。それにしても凄い値上げで、出張で日本から来た人達はこの値上げ率に驚いています。

レストランもかなり値上げされています。

ミラノのレストランの値上げ

先日、南フランスのニースに1週間程居たのですが、ニースの方がミラノよりもレストランのコストパフォーマンスが良かったです。宿泊は、アパートを1週間程借りたのですが、ニースの方が安いですね。ニースの方が労働者の賃金は遥かに高いですが、宿泊代は安く、外食費のコストパフォーマンスは良いです。

ミラノの外食代の高騰は酷いと感じています。マルガリータのピザ(水牛のモッツアレラとフレッシュトマト)15€、ミネラルウオーター 3€、席料 2€で合計20€でした。COIVD-19前と比較して2~3割も上がっていると思います。日本円で3000円近いです。ミラノのレストランで席について食事するのに一番安いレベルでこの金額です。

こちらは牛のすね肉 オッソブーコです。ポテトのローストを別に注文して40€、これにミネラルウオーターと席料で45€です。日本円で6500円位ですね。

これにプリモピアットとデザート付けたら、10,000万円にはなります。因みに、このレストランは高級ではなく、中級以下のレベルです。テーブルクロスもなく、紙のランチョンマットです。このレベルのレストランで夜は平均で10,000円と言う事になります。日本円が安くなった?からではありません。現在の為替レベル(2023年3月)よりも円安ユーロ高になっていた時期は沢山ありましたが、ここまで値段が上がった一番の原因は、各レストランが値上げしたからです。ホテルや宿泊所もそうですね。 しかし、労働者の賃金上昇率が僅かなのにこんなに値上げしてしまって、需要が続くのか心配です。

イタリアのクリスマス- あれっ?

イタリアのクリスマス
ミラノ 2020年12月12

例年だとミラノの小さな商店街でも綺麗なクリスマスの飾りが見られます。今年は、飾りの無い通りが殆どです。イタリアはコロナで亡くなった方が非常に多い事から今年は色々な意味で静粛なクリスマスになるようです。コロナウィルス第三波の11月から非常事態宣言が続いており人出も激減しています。↑の写真は、ミラノで最も人が多く集まるアーケードの中心です。例年だと年末のアメ横の様に混雑していますが、今年は3割程度の人出だと思われます。観光客が全く居ないわけですから、こうなりますね。

12月12日現在、ミラノのあるロンバルディア州は、本日からコロナウィルスの危険度が黄色になりました。以前のブログで記載しましたが、危険度は、黄色‐オレンジ‐赤となっており黄色は最も緩い規制です。それでも、非常事態宣言には変わりはないので夜間10時以降の外出禁止は同じです。

12月21日から1月6日迄、州を超えた移動を禁止。12月25、26、12月31日は、市を超えた移動禁止となっています。

2020年12月12日

EU圏の移動は自由なのですが、どこの国も感染が拡大しており国に依っては入国時にPCR検査陰性証明(72時間以内のもの)が必要です。感染拡大地域からイタリアへの帰国も検査証明等が必要になっています。ヨーロッパ各都市の美術館等も閉館していますし、イタリア同様に夜間10時以降の外出禁止を行っている国が殆どなので旅行しても観たりレストランで食事を楽しむと言う事は出来そうにありませんね。

ヨーロッパのクリスマスは、日本と比べて静かです。公共交通機関の最終も早いです。25、26日は、殆どのお店が閉まっています。

イタリア人は、クリスマスをどの様に過ごしているのか?人に依りますが、多くの人が家族と家で過ごす事が多いです。友達を招待又は招待されて家でのクリスマスパーティー。24日の晩からひたすら食べて0時に教会へ行き、家に戻ってまたひたする食べる。25日の昼に教会へ再び行く、そんな感じでしょうかね。

レストランで過ごす方も少なくありません。24日はクリスマスディナー、25日はクリスマスランチ。どちらもメニューは決まっていて、ワインが付いたセット料理となります。

何を食べるのか?クリスマス一月前辺りからスーパーの食品売り場には、羊と七面鳥が非常に多く並びます。それと、パネットーネ、パンドーロ、チョコレート類が一気に増えます。パネットーネ、パンドーロと言うのは円錐の様な形をしたパンケーキの様なものです。日本のクリスマスケーキは、クリスマスの日に食べるわけですが、イタリアではお祭りの時期になるとパネットーネとパンドーロを毎日ひたすらに食べます。羊の肉やターキーは聖書に由来したこの時期の食事です。これも、クリスマス前からひたすらに食べています。日本の様におせち料理的なものはありませんが、流石にクリスマスの時期は、普段売っていない高級食材もスーパーに並びます。チョコレート類が増える理由はわかりませんね。普段甘いものを我慢しているところをクリスマスくらいは自分に又は子供へと言ったところでしょうかね。イタリア人に聞いてもわからないと言う返事でした。

クリスマスプレゼント。イタリアは、家族は勿論、友達や仕事の取引先と多方面に渡りクリスマスプレゼントを交換します(贈り贈られ)。例年だと12月初頭からクリスマス迄は一年で最も物が売れる時期です。先日、財布を買いにブランド店へ行きましたが、コロナで入店規制していました。一時間以上並ぶ感じだったので諦めました。今年は、オンラインでのプレゼント買いが多い様です。イタリアは配送に問題があるので、オンラインでもこれからだと商品に依ってはクリスマスに間に合わないでしょうね。

元々、我慢をするのが苦手なイタリア人ですので、かなり皆、ストレスが溜まっています。クリスマスパーティーでコロナ感染が再び増える様な気がします。

ここで一旦、今回のブログのタイトル イタリアのクリスマスを終えていたのですが、様子が全く異なって来たので追記します。

la repubblica紙より

↑の写真は12月14日のミラノ中心街です。あれっ?前日まで3割程度の人出だったのに。

12月14日から殆どの地域が最も緩い規制の黄色ゾーンになりました。政府は、感染率など幾つかのポイントが下がっている事から規制を緩和したとの事です。しかし、感染者は、相変わらず1日 12,000~20,000人、死者数は一日で450~850人出ています。ドイツ等は、これよりも低いのに規制強化して来年までロックダウンしました。

しかし、それにしても緩和したからって、まるで堰を切った様にミラノ中心地に人が流れ込んだ感じですね。12月21日から州を超えての移動が禁止になります。従って、ミラノのあるロンバルディア州外の人たちは、今の内にミラノに買い物に行かないとなんて思った人達が。。。。それが↑の写真なんでしょうね。この状況写真を見せられたら流石に行く気は失せると思うのですがね。なんて事は考えないのでしょうね。日本と異なり、政令で禁止となれば罰則がつきますから誰もが守ります。それが無くなると一気にこんな風になってしまいます。各自が自粛しなければ、なんて余り考えない人が多いのかもしれませんね。

それにしても、年末から来年初頭には一気に感染者は拡大してしまいそうですね。そうすると、また、ロックダウンして。それの繰り返しになりそうですね。

我慢が苦手なイタリア人なんですよね。

イタリアの郵便局

凄まじき イタリアの郵便局

イタリアの郵便局の悪い意味での凄さは有名です。数々の伝説があります。

日本からクリスマスカードを12月上旬に送るとイタリアに到着するのは1月中旬以降になります。

村上春樹さんの本にもありましたが、以前は郵便物が紛失する事も珍しくなかったです。(2020年現在では紛失は聞かなくなりましたが、その他の問題は相変わらずあります。)日本から日本国外に出るまでは早いのです。それは、日本郵便ですからね。それこそ、2~3日で日本を出ています。イタリアに到着してからが郵便物の長い旅となります。放置されているのか?一応、追跡出来るのですがね。全くあてになりません。

イタリアに住み始めた頃、日本から荷物を送ってもらった事がありました。EMSビジネス郵便でした。英国、ドイツ等だと大体1週間位で荷物が到着します。2週間を過ぎた頃、送って頂いた友人へ連絡して”まだ、こっちに着かないけど”と言うと、友人もびっくり、”えっ!もう2週間も経過している、それならこっちの郵便局で調べてもらうよ”ってな事になり調べてもらいました。すると、発送元の郵便局の支局から2日間で日本を出ていました。そして、11日前には、イタリアの飛行場に到着していました。そこまでは、日本でも追跡出来ます。友人が、”この先の追跡は日本では出来ないらしいから、イタリアの郵便局に問い合わせて”との事でした。その当時は、イタリア郵便局の”凄まじさ”を知りませんでした。とにかく、郵便局へ聞いてみようと思い、最寄りの郵便局へ行きました。

日本だと”ちょっと郵便局へ行ってきます”つまり、郵便局の用事は、”ちょっと”で済む場合が多いですね。イタリアの場合は”ちょっと”では済みません。かなりの時間待たされる事が多いです。今でこそ、順番札を取って待てる様になりましたが、当時(20年以上前)は、順番札もなく並んで待たされました。並び方もそれは酷いもので、割り込みが当たり前の世界でした。たかが郵便局の”ちょっと”の用事なのに精神的にも肉体的にも擦り減ってしまいます。

漸く、順番が来て事の次第を尋ねると”それは、SDAの管轄だからSDAに聞いてちょうだい”との返事でした。SDAと言うのは民間の宅配業者ですが、イタリア郵便局グループとなっており、EMSビジネス郵便の宅配をやっている業者の様です。SDAの連絡先を教えてもらい、家に戻ってSDAに電話をしてみました。そしたら、”SDAは、郵便局の指示にて宅配しているので、本件に関しては郵便局へ聞いてください。”との事でした。つまり、両方ともに調べる事もせずに、たらい回しですね。この辺りで既に20日間位経過していました。

前回は家の近くの小さな支局だったので、今度は、フィレンツェ中心にある大きな郵便局(本局?)へ行ってみました。前回以上に凄まじく大混雑していました。かなりの時間、ひたすら並んでやっと順番にこぎ着けました。前回と同じ質問をしたところ、同じ様な返事が返ってきました。(SDAに聞いてくれ)ここで諦めたら、”イタリア式果てしないたらい回し”になるのは目に見えていたので必死に食い下がりました。そうしたら、”ちょっと待ってなさい”と言われ電話で”ミラノの国際局へ電話を入れてみ”るとの事でした。当時は、未だ、ネットが普及していませんでしたし、パソコンもWINDOWS95が発売されたばかりの頃でした。調べたところ、大分前にミラノの国際局を出発してフィレンツェの集荷所に到着しているとの事でした。その理由を問いただすと、当然の様に、”わからない”でした。とにかく、急いで、配達してもらう様に指示してもらいました。この後、1週間経過しても到着しないので、再び、この本局へ行きました。前回とは担当者が違いましたが、くいさがって調べてもらいました。フィレンツェの集荷所へ直接目の前で連絡入れてもらいました。結局、家に荷物が到着したのは、友人が日本の郵便局へ出してから45日経過していました。(EMSビジネス便です。)

昔とは違い昨今では流石に、書留やEMS郵便で不在の場合、不在票をポストに入れてあります。

日本から重要な書類をEMSで送ってもらったのですが、1週間、10日、経過しても到着しません。で、ミラノの勤務先近くの郵便局へ聞きに行きました。(オンラインで追跡出来ますが、その時点ではミラノの支局を発送となっており、そこから1週間以上経過していました。電話での問い合わせは、何時も話中です。)昔と違い、番号札を取って順番を待つシステムになっています。改良されたのはその部分だけです。局員の態度が酷いのは全くかわりません。”こちらが何か悪い事でもしたの?”って聞きたいくらいの気持ちにさせます。窓口に客がいないのに携帯をいじっていたり、他の局員と私語をずーと続けていたりしています。その支局は比較的大きく50人位は余裕で入れる広さです。窓口も14個ありますが、実際に稼働しているのは3つだけでした。(こんなのが普通です。何故、他の窓口に人がいないのか?誰に聞いてもわかりません。)(これは2018年の話です。)

で、事の経緯と送り状を見せました。そこでPC画面を操作して調べていました。結果、その場では直ぐにはわからない、との返事でした。で、”どの位の日数が掛かるの”って聞いたところ” ”2~3日にはわかるから、メールで返事をするからメールのアドレスを書いて”と言われ、メールアドレスを記載してその場をさりました。(紛失したのかと心配になりました)

3日後にメールではなく、手紙が郵便局から来ていました。そこに記載された内容は、”調査した結果、配達員が不在票を置き忘れて配達物を持ち帰り、そのまま放置していました。そして、既に、日本向けに返送されました” ”配達員が不在票を置き忘れた事が事実として判明しており、貴方は、この件に関して訴える事が出来ます”との予想もつかいない、凄まじい内容でした。

日本から送ってもらったのは、書類でした。訴えたところで慰謝料請求?して、とてつもなく長い期間の訴訟になる事はイタリアですから容易に想像がつきます。また、郵便局へ文句を言いに行ってもどうせ”私は知りません”となる事もわかっています。とにかく、返送されてしまったので、送り主へ連絡し普通郵便で送る様に頼みました。日本-イタリア間を一往復半して漸く手許に書類が届いたのは2月経過した後でした。

郵便局、警察にしても責任箇所と言うか誰も責任感なんて感じません。クレームを言っても無駄です。無駄と言う言葉は使いたくないのですが、これは本当に無駄です。だから、問題が発生してどう対処するか?を自身で考えて行動しないと解決しないどころか悪い結果になってしまう事さえあります。

ここで記載した郵便局での事件は大きな氷山の一角に過ぎません。イタリア人でさえ、郵便局には辟易しています。留学でイタリアに来る方は、郵便局は避けては通れませんね。滞在許可書申請時に利用します。怖がる事はありません。漏れなく書類を記載し必要書類や写真を添付して提出するだけです。

ロックダウン中でもロックダウンが緩和されても郵便局の対応は。。。

↑の写真は、10月中旬でロックダウンが緩和している時のものです。郵便局へ入るには長い列を並ばないとなりません。ロックダウン中であれば、薬局やスーパー等、店内が一杯になる場合は、外に並ぶ様になっていますが、ロックダウンが緩和された状況ではどこの店も入口での消毒と他人との1.5mの距離を開ければ店内に入れます。しかし、郵便局は、ロックダウンが緩和されても中に入るのは数人に規制しています。ロックダウン緩和状態でこの様になっているのは郵便局だけです。中の様子が見えない様にブラインドも閉めています。(コロナ感染前は外から中が見える様になっていました)家の近くの2軒の郵便局の両方共にこの様な状態です。大きな支局ではありませんが、両方共に20人位は余裕で入れます。中に入ると、10席以上の椅子があり、一席置きに”座らないでください”印がしてあります。しかし、実際には、局の中へ入れるのは窓口+2~3名なので(計6名程度)、座って待つほどではありません。つまり、本当は中で窓口+20名が待てるのに、外に並ばせているわけですね。中は20人入っても密にはなりません。窓口は10個あっても、開いているのは2~3個です。

イタリアの郵便局は改革するとかで大分以前にテレビでやっていました。コマーシャルを大々的にしたりロゴに色を変えました。しかし、何も変わっていませんね。

イタリアから一時帰国

先日、急用が出来て日本へ一時帰国していました。30年ぶりに南回りでカタール航空を利用してみました。カタール航空は現在最もホットなエアラインと言う事でネットでも頻繁に取り上げられています。特に、ビジネスクラスは、シート部門で1位を獲得しました。

ミラノ マルペンサ空港はコロナの影響で予想通りガラガラです。この日は10月30日です。イタリアのコロナ感染は、1日約2000人前後でした。日本の7倍位の検査数があるのでこのレベルだと感染率は未だ低い方だと思います。

コロナの影響からチェックインで時間が掛かると思い、出発3時間前にマルペンサに到着していました。カタールは、中東のハブ空港としてドバイと競争しています。カタール経由でアジア、アフリカへの航路を増やしています。

カタール航空のチェックインカウンターには既に列が出来ていました。チェックインの手続きが一人一人に非常に時間が掛かります。イタリアからカタール経由での日本行きは、日本国籍者は全く問題ありません。しかし、国籍に依っては書類が揃っていないとカタールでのトランジットが認められない国もある様です。(カタールから他の国へ)チェックインで登場拒否される人も見かけました。登場拒否の経験はありませんが、それに近い事は何度かあり、白熱した交渉を経験した事があります。だから、搭乗出来ない人の気持ちもわかります。大きな荷物を抱えて途方に暮れている様子でした。

出発は、定刻通りでした。カタール航空 ドーハ経由成田行きは、エアバスA350-1000です。エコノミークラスに搭乗しました。液晶や機材も新しい感じでした。

膝の前も結構余裕がありました。写真ではわかり難いですが、20cm以上の余裕はありました。(身長176cm。脚は長い方ではありませんが)

エンターテインメントは充実していますが、日本語吹き替えも字幕もなかったと思います。100チャンネル位はありそうでした。Wi-Fiも可能です。料金は、最初の1時間は無料でその後到着まで10EURO?だったと思います。(使ってないので憶えていません。)

食事は1回とスナックが1回でます。↑のビーフシチュー風ですが、とても美味しかったです。シートは広めだし食事も美味しい。”カタール航空、こりゃ、とてもいいな” この時点では、そんな印象でした。(食事は、がっつり食べる人には量的に少な目かもしれません。

ドーハの空港は非常に広く綺麗です。お店もレストランも全て開いていました。トランジット時間は1時間30分でした。乗り継ぎもスムーズでした。この後のドーハー成田間は、機材が古い感じでした。シートのピッチも前のA350-1000と比べると狭く、膝が前にぶつかり気味でした。11時間以上ありましたが、爆睡して気が付いた時は、着陸まで後2時間と言うところでした。簡単な朝食が出ます。(ソーセージとオムレツだったかな?)

成田到着です。10月31日現在、PCR検査ではなく検体検査を行っていました。PCR検査だと結果が出るまでに1日以上掛かっていましたが、検体検査だと到着‐検査‐結果待ち‐出口 で約2時間でした。通常だと到着から荷物をピックアップして1時間位は掛かりますので、それを考えると検査して結果まで、そして出るのに2時間は早いと思いました。この後は、公共交通機関は使用出来ない上に14日間の自主隔離があります。結果陰性の↑の紙をもらう際にそられの事と”毎日、メールで体調を聞きます”と言われました。”流石に日本は厳しいな”ってな感じですね。(メールが来たのは一度だけでした。笑)

ハイヤーだと自宅のある都内までは4万円~。ミラノー日本の往復チケット代金が約5万円と格安だったので、それを考えると、とても4万円のハイヤーは使う気にもなれません。さりとて、バスも電車も使えない。。。レンタカーも検討しましたが、成田空港の受付が夜20時が閉店でした。夕方に到着便でしたが、時間に余裕がないと無理だと思いレンタカーは諦めました。

事前に調べて予約をしておいたのですが、乗り合いのバンで都内まで4980円と言うのがありました。(羽田からだともっと安い様です。)それに乗って最寄りの駅まで行き、そこまで友達に迎えに来てもらいました。宿泊先は、これも事前にAIRBNBで予約した亀有のアパートです。12泊で約4万円位だっと思います。1泊2500円と掲載されていましたが、AIRBNBは、1泊少ないのですよね。そして、コミッションと清掃代を含めると結局は1泊辺り3500円位にはなっています。(AIRBNBの値段は、合計金額を宿泊日数で割って考えた方がいいです。)ま、それにしても1泊3500円なら安いと思っていました。それは、部屋に入るまでですね。(笑)

ドアを開けて先ず驚いたのが部屋の狭さ。(恐らく6畳より狭いと思います)部屋の大部分がベッドです。スーツケースを広げるスペースはありませんでした。ベッドのわきに小さなテーブルとクッション。入口からはいって直ぐの左右に小さなキッチンと風呂トイレ。小さなキッチンの隣に洗濯機その上に乾燥機。小さな間取りにぎっしり電化製品が設置されていました。テレビは、柱で固定されたところにありました。3500円と言う値段は、コロナ禍の為に客が少ないから特別価格だと思っていましたが、どうやらこれは相場だったんですよね。写真では、部屋は結構広めに見えました。斜めから広角レンズで撮ったのでしょうね。ホテルとかだと部屋の広さをちゃんと平米で記載されているので大体イメージが出来ますが、AIRBNBの物件の殆どが平米の記載がないのでわかりませんよね。予約時には選択肢が少なかったので仕方ないかなと思っています。一つだけ便利だったのは、亀有のアリオの直ぐ側だったので食事や買い物には便利でした。

12日間このアパートで暮し、その後、友達に実家まで送ってもらいました。イタリアで3月から5月までロックダウンがあり隔離生活(自宅から200m圏内。超えると罰金)を経験していたのですが、日本の場合、まわりの皆は普通に生活をしている中で自分だけ隔離をすると言うのは、僅か?14日間でも結構ストレスが溜まりました。何故、検査で陰性なのに更に14日間隔離をしないとならないのか?理解できませんね。検査をして陰性なわけですから、その辺りを歩いている人達より感染確率は低いわけですからね。

14日間の自主隔離を含めての日本滞在が終わり、ミラノへ戻ります。成田までは列車を使用しました。しかし、成田は遠いですね。行きと同じく3時間前に成田空港に到着しました。↑の様にガラガラです。”空港やってるのかな”ってな感じですよね。カタール航空のチェックインカウンターは既に列が出来ていました。

実は、ミラノ帰国日の1週間位前にカタール航空からメールが来ました。ビジネスクラスの特別価格オファーです。成田ードーハが約280€でドーハーミラノが700€位でした。成田ードーハの飛行時間が約12時間、ドーハーミラノは約5時間です。何で、飛行時間が短い成田ードーハが安いのか?もしかしたら、機材が古いのか? で、調べたところ、成田ードーハは、A350-1000でした。時間が長いのに安い、それも280€なら利用してみようかな、って思いアップグレードしました。条件としては、このアップグレードには空港のラウンジ使用やビジネスクラスの荷物(30kg2個)は含まれません。それでも、12時間の飛行時間と世界一のビジネスクラスシートと言う事を考えると280€は、とても魅力的だと思いました。(勿論、食事にも大きな期待がありました。)

成田空港のカタール航空チェックインカウンターは、やはりマルペンサと同じ様に1人1人が非常に時間が掛かっている様でした。ビジネスクラスのチェックインだったので列は無く、直ぐに手続きとなりましたが、大分手こずりました。”PCR検査の陰性証明はありますか” とか”そんなの聞いてないよ!陰性検査の結果は、日本到着時のものしかありません” ”イタリアへはなにしに”ってか、”イタリアに住んでいるのです”と。(イタリアは、10月31日時点、日本からの観光客も14日間自主隔離又は100時間であれば入国出来ます。)それにしても、チェックインに時間が掛かりました。

成田空港出発が夜間だった事もありますが、殆どの店が閉まっています。開いてるのは吉野家とコンビニ位だったと思います。夕方までだと数店舗開いているそうです。税関を抜けて中に入ると更にと言うか全て閉まっています。少し期待していたのですが、がっかりです。やっているのは飲み物の自販機だけです。そんな事だろうと思い、事前に吉野家で牛丼を食べて正解でした。何もすることもなく、見るものもなにもない、席に座って時間が経過するのをひたすら待つのも結構大変です。笑

漸く、搭乗時間が来ました。来る時と同様にガラガラです。因みにエコノミークラスでも隣はいないので楽です。カタール航空のビジネスクラス初搭乗で期待が膨らみます。シートは実に大きいです。コンパートメントを超えたセミ個室でした。各シートにドアがあり開閉します。

シートは完全にフラットになりベッドになります。食事が終わった段階で眠りたい人には、ベッドメーキングをしてくれます。現在、コロナ禍で出来ませんが、カップルの場合は隣同士でダブルベッドにもなりますし、4人なら向かい合いでの座席を作る事も出来ます。

液晶はかなり大き目です。

サイドもかなり余裕があります。ベッド脇の下には小物を入れるスペースがあり、そこにヘッドフォンとミネラルウォーターが入っていました。

アメニティーキッドも充実しています。ブランケットは、中綿でキルティングです。非常に温かったです。パジャマもありました。パジャマに着替えると心までホッとします。今まで、色々なairlineのビジネスクラスを利用した経験がありますが、シートは、カタール航空がやはり一番ですね。

エンターテイメントの中身はエコノミークラスと一緒でした。プログラムは100以上ありますが、やはり日本語吹き替えや日本語字幕はなかったようです。

搭乗して直ぐにシャンペンや飲み物のサービスがあります。その後、食事を聞いてきます。”食べたい時間に持ってくる”そんなサービスをしています。例えば、2時間後にお願いしますと言えば、2時間後に食事を持って来てくれます。

上は前菜のカニとイクラのサラダです。和風もありました。下は、メインのビーフのグリルです。どちらも見た目、大変美味しそうに見えますね。コロナ禍でなければ焼き立てパンを持ってくるそうですが、パンは袋に入った状態でした。

この食事をする前までは、”カタール航空は、なんて素晴らしいんだろう”って思っていました。しかし、食べてから大分気が変わりました。食事の味付け?味があいませんでした。前菜は、まずまずです(レモンが焼かれているのが意味わかりませんが)がメインのビーフのグリル、思わず残してしまいました。肉もパサパサ気味でしたし、和風ソースもダメでした。ビジネスクラスの食事もがっつり食べる系の方には少な目です。(足りない人は、新たに注文する事も可能だそうです。しかし、この味ではそう言う気持ちにもなれませんでした。)

この後、到着二時間前位に軽食を持って来てくれますが、やはり、それも・・・。

シートは、世界一でも、これなら、ANAやJALそしてシンガポールエアーの方が良いと思いました。ただ、280€プラスでこのシートであれば、かなり値打ちがありますね。でも、普段はやはりビジネスクラスの値段なわけですから、そこまで払ってこのレベルの食事(シートはNo.1ですが)で更に南周りと言うのは個人的にはあり得ませんね。

ミラノ到着後は、カオスでした。到着は、10月31日ですが、この時点でイタリアのコロナ感染者は毎日2万人を超えていました。入国税関の前に警察のチェックがあります。これは、機内にて渡される用紙に自己宣誓書を記載して渡す為です。自己宣誓書には、来た国に従って項目が異なります。日本からだと14日間の自主隔離と公共交通機関を使用しないところの項目にチェックを入れてサインをします。それを税関前の警察官に渡すわけですが、それに並ぶのが↑の写真です。ソーシャルディスタンスもなにもありませんね。割り込みが凄いです。イタリア人よりも第三国へ里帰り?して戻った来た人達が多かった印象です。到着から出るまでに約2時間かかりました。しかし、日本と異なり、並んで待つ時間に1時間30分以上で、警察と税関はあわせても5分も掛かりませんでした。殆どの人がバスや列車で飛行場から去って行きました。イタリアのコロナ終息はかなり先になる気がしますね。笑

イタリアの時間

一般的にイタリア人は時間に”ルーズ”、”いい加減”と言われています。果たしてそうでしょうか?長年イタリアで暮し、仕事をしてきた経験から言って全くその通りだと思います。”いい加減”を超えて”酷い”に思いっきりメーターが傾いている感じがあります。初対面だろうと友人だろうと、老若男女問わず時間に関してはこんな具合です。

CIRCA又は、VERSOと言うイタリア語があります。およそ、だいたい、とか言ったニュアンスで使用します。時間を約束する時にこれらを彼らは使います。つまり、時間ピッタリにと言う感覚はありません。日本人だと仕事の約束で時間を決めた場合、大体少し前に来ます。イタリア人と仕事で時間の約束をして時間前に来る事は稀です。(絶対にないとは言いませんがね)これは人同士だけではなく、電車等交通機関でも似たようなものです。中央駅で列車の時刻掲示板を見ると酷い時だと半分以上が遅れていると表示されています。イライラしているのは大体が外国人観光客です。限られた時間で移動しますからね、当然です。それを横目にイタリア人は、慣れたものです。遅れた時間を見ても”あっそっか”てな感じで動揺する様子は全くありません。

フィレンツェからミラノへ出張する際に一度大変な事がありました。家を出るのが遅れてしまい発車ギリギリの時間にフィレンツェ中央駅に到着しました。掲示板で列車番号と出発するホームの番号を確認しました。丁度、フレッチャロッサ(イタリア版新幹線)がそのホームに止まっていたので”やった間に合った”と思い急ぎ乗り込みました。乗り込んだと同時にドアが閉まり出発しました。ホット一息です。しかし、問題はここからなのです。予約した席に行ったらイタリア人のマダムが座っていました。図々しい人だなと思いましたが、この様な事はイタリアでは日常茶飯事です。マダムに”マダム、そこは私の席ですよ。この通り私のチケットを見て下さい”と言うとマダムが ”変ね、私のチケットもこの席なのよ”と言われました。えっ!まさかチケットのダブルブッキングなのか!と思いました。他の国の想定内と比べイタリアでの想定内は倍以上に許容範囲を広くしていなければパニックになります。それなりに心の準備をしていたわけですが、”まさか、列車のダブルブッキングもありか?また、やられたな、仕方ない車掌が検札に来た際に言おうと思いました。で、車掌が来たので思いっきりクレームを告げると、”あんた、この列車はナポリ行きだよ” ”えっ!” 身体が固まったのを覚えています。ふっきれて、冷静になり次の停車駅のアレッツォででミラノ行きの列車に乗りフィレンツェでフレッチャロッサに乗り換えてミラノへ何とか到着しました。(当時は、フレッチャロッサは自由席がありました。

現在は自由席がないので、この方法が使えるかわかりません。)また、フィレンツェに到着した時は何とも言えない複雑な思いになりました。間違えた原因は、乗る予定だったフィレンツェ発ミラノ行きは遅れていたのです。慌てていたのでそんな事も考えずにホーム番号だけを見て先に出発のナポリ行きに乗ってしまったわけです。当然、仕事のアポは大幅に遅れた事から全てのスケジュールが狂ってしまいました。

自業自得です。イタリアでは慌ててはいけないのです。もっと酷い事になります。

以前、イタリアの企業で人事に携わっていた時期がありました。求人を出し面接をするわけですが、10人の内に10人は(一人ずつの面接)、面接の時間に遅れてきます。10人の内に3人は来ません。場合に依っては自分で日時を変更して来ない猛者もいます。その時の事を覚えていますが、怒ると言うより”凄いな、面接でしかも自分で日時を指定しておいて来ない”、暫く、ボーとしてしまいました。採用の面接でこのありさまですからね。時間厳守と言うのはイタリアではあり得ない事だと思います。

日本で勤めていた頃、仕事の待ち合わせとなると、相当早めに行って待ち合わせ場所を確認して、その後、その周辺でブラブラして時間を潰して約束時間少し前に待ち合わせ場所に行くようにしていました。それが当たり前だと思っていました。その感覚でイタリアで仕事をすると精神的にまいってしまいます。

時間厳守と言うのは世界的な道徳だと思います。ただ、その許容範囲が国や地域に依って大分異なります。ラテン系では、30分遅れでも時間を守った事になるでしょう。60分遅れでも”車が渋滞して” ”電車が遅れて”等と言った言い訳が必ずつきます。つまり、条件つければ60分遅れでも許容範囲とされます。しかし、これが相手が公共サービスだと事情が大分異なります。次回になるか?わかりませんが、”凄まじきイタリアの公共サービス”と言うのも書きます。

イタリアの食事 – 3

イタリア人は肉が好きです。(海沿い南部は魚が多いですが)15年位前から魚介類もそれ以前に比べて多く食べる様になりましたが、それでもスーパーの生鮮売り場では肉類が圧倒的なスペースを持っています。その肉類の中でも牛肉が全体の半分以上、次が鳥類(鶏、七面鳥、カモ、うずら、他)、豚肉とウサギと言った順です。日本だと脂身が多少入っている方が好まれる傾向にありますね。牛肉でも和牛は霜降りの様に脂が入っています。豚肉のロースも端に脂部分が残してありますね。美味しいお肉は脂も甘みがあります。しかし、イタリア人は脂身は避ける傾向にあります。(生ハムの脂身や燻製のラードは好まれます)豚のロースも脂身は切り落として売られています。牛も脂部分はTボーンステーキ用以外は脂身が落とされています。鶏肉にいたっては皮も剥がされています。何故、ここまで脂を避けるのか?ダイエットや健康の為なのか?人に依って意見は異なる様ですが、結局のところは”脂身が嫌い”(わかりやすい)につきる様です。

イタリアにある和食のレストランに友人と一緒に行った際、友人は鳥の照り焼きを注文しました。和食での鳥の照り焼きですから、皮の部分を当然くっつけてあり美味しそうに皮をパリパリに焼かれていました。友人はその皮を全て外して食べていました。”お前皮が美味しいんだよ”と言ってやると、”嫌いなんだ”てな具合です。

日本の和牛も近頃人気です。日本でも高価な和牛ですので、イタリアでは超高価な食事となります。それでも和牛を扱った和食レストランは人気です。和牛ステーキはイタリアでは見たことありません。和食レストランでの和牛は、すき焼き又は焼肉を沢山の野菜と一緒に食べる感じが多いです。肉が超高価と言うこともありますが、和牛は美味しいが脂が多くて量は食べられないのかもしれませんね。ステーキにしても150gもあれば持て余してしまう程かもしれません。個人的には、甘みのある和牛の脂は好きです。

イタリアにもご当地牛と言うのがあります。最も有名なのが”キアナ牛(キアニーナ)白い大きな牛です。トスカーナ料理のビステッカフィオレンティーナは、キアナ牛の網焼きが実に美味しいです。フィレンツェに行くと多くのレストランでビステッカと呼ばれるTボーンステーキが食べられます。しかし、実際にキアナ牛を扱っているところは少数です。理由は高価だからです。大体、2人前からの注文となります。€/kg となるところが多いです。骨がついての重さなので500g程度なら肉の部分は300gもありません。脂分が少ないので300gでもヘビーと感じないと思います。有名なところでは、キアナ牛を独自の方法で熟成させて焼き上げます。調味料はシンプルで基本的には塩をこすりつけて網焼きです。従って、肉の旨味(塩も)の差が出ます。焼き加減は、日本人だと中が少し赤い程度のミディアムかミディアムレアー程度が多いですね。イタリア人は、サングエ(血)と言って中は温かいが生に近い焼き加減が好みです。フィレンツェにあるTorattoria Sostanzaは、世界中からビステッカを食べに来る名店です。(予約必須で時間制)期待を裏切りません。イタリアに来たばかりの頃は、中々この中が生に近いサングエのビステッカが苦手でした。見た目に臆していましたね。でも、大分年数が経て、逆にサングエでなければビステッカが食べられなくなっていました。習慣と言うのは恐ろしいものですね。イタリア人は、サングエがビステッカとして食べるのに最高だと思っています。しかし、食べ方なんて自分の好みで良いのだと思います。カチカチに焼いてもそれが好みであればそうしてもらえばいいのです。何も地元に合わせることはないのですよね。長年イタリアで暮らしていれば、味覚もイタリア人的になりますが、短期の旅行で来てまでイタリア人の嗜好にあわせる必要はないと思います。”カチカチ焼きなんて肉の旨味がなくなっちまうよ”なんて言ってくるウエイターもいますが、”それが好きなんだ”と突っぱねればいいのです。

イタリアに来られたら是非一度は、ビステッカフィオレンティーナを試して下さいね。注文の仕方としては、2名でお二人ともに小食なら前菜とパスタを1人前シャアしてビステッカを500g位それと付け合わせにサラダを頼まれると丁度よいのではないでしょうか。焼き加減は何も言わなければ大体ミディアムレアーで出てくると思います。いい加減なところは、レアーで頼んでも焼きすぎのところもあります。

イタリアの食事 -1

イタリアの食事は、朝は、甘いパン類とカプチーノのみ、昼は、大体プリモ(スパゲッティ等の麺類、リゾット、)又はパニーニ(パンにハムやチーズをはさむ)、そして、夜は、前菜からプリモ、セコンド(肉か魚)そしてデザート又は、プリモとセカンドのみ。こんな感じだと思います。もっとも、近頃は多様性になり夜は、ハッピーアワー(バールにてアルコールとおつまみ)だけで済ませる人も多くなっていますし、ダイエットからなのか?食事の量自体が減っている感じがあります。20年位前は、”イタリア人ってこんなに食べるのか!”と驚いていたものです。女性でも前菜のハム盛り合わせ、プリモのスパゲティー、ビステッカ(牛肉の網焼き300g)食べ終わって、”貴方は残すの、なら私に頂戴”ってな具合でした。

朝食は甘いパンとカプチーノ。因みに、イタリア人は、カプチーノを朝以外には飲みません。(地方に依って違いはあるとは思いますが)コンチネンタルブレックファーストと言う言葉がありますが、英国を除くヨーロッパ大陸の朝食と言う事だと思います。コンチネンタルブレックファーストは、一般的には温かい料理はありません。パンとコーヒーか紅茶、それとフルーツ類程度です。ホテルの朝食を期待されるのであればアメリカンブレックファースト付きになりますね。日本の朝食は実に栄養満点です。ご飯、お味噌汁、お漬物、玉子や焼魚等。(これも多様化していますが)温泉に行って旅館に泊まり食事が楽しみですね。

イタリアの取引先のオーナーが日本に初めて来た際に、”えっ、朝からご飯や魚を食べるのか”って驚いていました。イタリア人の夕飯の時間が21時頃ですので、朝食から沢山食べると言う習慣がないのだと思います。オフィス等の仕事の始まりは8~9時頃で日本と同じくらいです。昼休みは13時から90分~2時間程度取ります。お昼は、食堂の無いオフィスであれば、お弁当を持参したり、近くのバール(BAR)やレストランでランチをとります。その後、オフィスに戻り合計8時間働いて帰ります。(公務員は6時間)夕飯が21時位ですので、帰り際に仲間や友人とバールでハッピーアワーというわけですね。(アルコールとつまみのセット)又は、一旦、家に戻りシャワーを浴びて装い新にディナーに出かけたりします。日本の様に深夜遅くまで食事が出来るところがありません。夜中までやっている店は一部のバールとディスコくらいです。レストランは、遅いところでも0時には閉まります。レストランの営業時間は、昼12時~15時、夜間19時~23時が一般的です。日本の様に昼から夜までぶっ通しと言うところは殆どありません。(ファーストフードは開いています。)理由は、人件費の問題と15時~19時の間にあけても来店は非常に少ないからです。

昼は多くのレストランやバールでランチメニューを用意しています。安いところだと10EUROでプリモ(パスタやリゾット類)とセコンド(肉や魚)を食べられるところもあります。日本と同じ様に人気のところは大変混雑して待たされます。バールのパニーニで5EURO~、パスタやピザが7EURO~(地域に依ってもう少し安いところもあります)こんなところが一般的です。500円以下で食べられるランチはバールでもありません。

夜は、レストランでは予約を入れて食事に行きます。(週末は予約が必須)人気店は、1週間前でも予約が入らない事もあります。オンラインで予約を入れてあっても行く前に必ず電話で再確認された方が良いです。

また、別のトピックでレストランのメニューなど詳しく書きたいと思います。

イタリア人のファッション-2

前回の続きになります。イタリア人がお洒落と感じさせるポイントは、アクセサリー小物類の使い方が上手な点、それとコーディネートは、自己主張がベースだと言うポイントだと思われます。日本はどちらかと言うと控え目、目立たない様にさりげなくと言う感とじで装う人が多いと思います。イタリア人は、主役は自分、まわりの意見より自分の考えが先行重視します。主役の自分を引き立てる為に服を選び、ブレスレット、指輪、スカーフ等の小物類で大胆に自分を引き立てます。日本人は身に着けるアクセリーも質の良い高価なものをつける人が多い傾向です。イタリア人でも経済的に余裕のある人はそうしますが、一般的にはFAST FASHIONで売られるいる様な手頃な物をつけています。アクセサリーや小物類を変えるだけでも、また、違うイメージに仕上がります。

日本の場合は、かわいい指輪、とか、綺麗なネックレス、と言う風に物を他人が褒める感じですが、イタリアの場合は、綺麗だね、その人自体を褒める事が多いと思います。ファッションは、他人が言われた言葉に満足するわけですが、他人からどの様に見られるか、思われるか、それはイタリア人も日本人も気にします。しかし、主役は、物ではなく自分です。物は自分を引き立てる道具です。人に依って個性が異なる様にコーディネートも人に依って異なってよいわけです。イタリア人は、自分を引き立てるのが上手だと言う事だと思います。

イタリア人のファッション

イタリア人の日常ファッションに関して-1

イタリア人はお洒落だと言われています。これは、日本人からのイメージに限らず英国人、ドイツ人からもその様に言われています。何故、イタリア人は、お洒落なのか?色々な説があります。例えば、イタリア男性ファッションは、南イタリアから発生した説。南イタリアは、マフィアで有名ですね。イタリアが未だかなり貧しかった頃の南イタリアは、治安が相当悪かったそうです。マフィアは、朝食を済ませると床屋へ行き髪と髭を整い次に服の仕立て屋へ行く、何時も身なりをきちっとしていたそうです。当時の彼らは、警察よりも信頼されていたところがあった様です。当時は、街の英雄的なイメージもあったのでしょうか?わかりませんが。確かに、メンズファッションの老舗はナポリや南イタリアに多いです。昔のイタリアは、英国、フランス、ドイツと比べ貧しく、賃金も大分低かった様です。そんな中、イタリアは、北ヨーロッパのファッションの生産地となりました。生地メーカー、アパレルメーカーが増えていったわけです。

イタリアは、気候には大変恵まれています。北ヨーロッパは経済的には非常に発展していますが、何しろ天気が悪い。英国辺りは一年中雨が降っているか黒い雲に空が覆われています。(晴れた日の英国の郊外は、それは素晴らしく美しい眺めですが)それと比べて南欧は温かく太陽が出ている日が多いです。

その様な背景、気候そしてイタリア人の気質からイタリアのファッション産業が大きく成長し、それに伴って、イタリア人自体も自由奔放にファッションを楽しむ様になったのだと思います。