
イタリア人が最もよく食べるものは、やはりトマトです。一年中スーパーの店頭にはトマトがあります。今でこそ日本でもフルーツトマトと言う名前で甘みの多いトマトが売られていますが、昔は、トマトは完全に野菜の仲間で甘みもよりも酸味が強い印象でした。
1980年代の後半に生まれて初めてイタリアを訪れた際、生のトマトを食べてその美味しさに感動したのを今でもはっきり覚えています。食べたトマトは若干皮が張っていて固めでしたが、口の中に入れて噛み砕くと口の中一杯に甘さが広がりました。”えっ、何でこんなに甘いの”と戸惑う位にその美味しさに驚いたものです。南米原産のトマトはイタリアで改良を重ねられました。イタリアでは様々な形のトマトが売られています。イメージ的には南イタリア ナポリ辺りが本場と思われがちですが(以前は確かにそうでした)現在では、北イタリアの方が収穫も生産も多い様です。液体状、ペースト状、原型を留めて煮込まれたもの等用途に依って使いわけられるトマトは、ピザ、パスタ、肉や魚類と一緒に調理等多くのイタリアン メニューで味あう事が出来ます。イタリアでトマトの畑を見たことがありますが、土壌はどちらかと言うとパサパサで放置されている感じでした。そんな土壌は雨が降っても水はけが良いわけです。春に植えつけ秋に収穫。その間、寒暖の差が激しい時期になり、そんな気候と土壌が美味しいトマトを育てる要素になっている様です。多くの食品メーカーがトマトの瓶詰、缶詰を出しています。好みがわかれるところですが、個人的には、MUTTIが一番好きです。イタリアのどのスーパーでも売っています。農家から直接トマトを買って自宅で加工する人もいます。特にイタリアの有機栽培で育ったトマトはそれは格別な味です。
日本でもトマトを使った料理はポピュラーですね。ナポリタンやチキンライスは、日本食(和食とは異なり、海外から入り日本で改良された料理)の定番です。個人的にどちらも大好物です。これらはイタリアにはありません。ケチャップを多く使用する料理はイタリアにはないのです。イタリアでもケチャップはありますが、多くはフライドポテトにつけて食べるくらいです。ミートソースはあります。ケチャップは使用しませんが、トマトピューレと赤ワインを使います。肉は、牛、豚、猪、ウサギと様々ですが、肉を赤ワインに漬けておくのが一般的です。(肉の臭みが取れます。)ミートソースは、イタリアではラグーと呼ばれています。(肉のソース)トマトのラグーやホワイトソースのラグー等があります。トマトを使用したラグーの代表的なのがボロネーゼです。ボロネーゼとはミラノとフィレンツェの間にあるボローニャと言う街でボローニャ風と言う意味です。ボローニャはイタリアでも”食のボローニャ”と言われる程に美味しい物が味わえる街です。

知り合いの会社がボローニャにあり、彼らに美味しいボロネーゼを食べさせてくれるレストランを紹介してもらいました。ボローニャ一番のラグーボロネーゼを食べさせるそのレストランはボローニャ駅の直ぐ側にあります。外観は至ってシンプルな大衆食堂と言う感じですが、中に入ると非常に暗く調度類はアンティークと言うより単に手入れしていない汚れた家具が並んでおりパットしませんでした。”本当にここかな?間違えたかな?”と不安な気持ちがありました、スーパーマリオに似たオーナーのオヤジも無愛想で”店を間違えた”と思いました。20分位待って出てきたのは、白いプレートに綺麗に盛られたラグーボロネーゼ、ブラックオリーブが一緒に添えられていました。麺は、スパゲティではなくタリアテッレです。ミートソースに絡み易いのか?ミートソースだと麺はタリアテッレがポピュラーです。ひき肉の色はバーガンディー色で数日間はワインに浸されたものだと言うのが色から窺えます。食欲をそそられる香りから口に運んだ瞬間、驚きと同時に感動しました。長年イタリアに住んで、大好きなミートソース(ラグー&トマト)をあっちこっちで食べて来ましたが、これ程美味しいミートソースに出会えてのは初めてでした。オヤジの顔を覗いたら、ニッコリ笑って頷いていました。(前菜盛り合わせを頼んだ後に、メインにこのtagliatelle alla bolognese)

フィレンツェの街中にYELLOW BAR (名前はBARがついていますが大衆レストランです。)と言うレストランがあります。そこのトマトソースベースの辛いスパゲティーが絶品”スパゲッティ カレッティエラ”。低温でじっくりローストしたガーリックオイルに鷹の爪、そこにトマトピューレ。至ってシンプルなスパゲティーですが、これが難しい。何が難しいって?美味しく仕上げるのが難しいのです。ガーーリックのローストされた香りが十分に醸し出されているか?トマトピューレの味と量、辛さの程度、この絶妙のバランスを整えるのが非常に難しいです。観光客が多い店ですが、値段もリーズナブルでメニュー種類も多く、そして外れ(味)が殆どありません。(混雑時は相席になります。)その中でも写真のトマトベースの辛いスパゲティーは群を抜いた美味しさです。2人前以上で注文すると大きなプライパンで出てきます。(自分たちで取り分けます)絶妙なバランスが取れた絶品と言っても過言ではありません。一度機会があったらお試し下さい。
イタリアでパスタ類を注文して大きく外れたと言う経験は殆どありません。日本でイタリアンに行くとパスタの味が残念に思う事が多々あります。日本のパスタは和風が良い様に感じます。やはり水が原因なのかもしれませんね。日本のパスタにタラコや明太子と言うのは美味しいです。でも、日本でパスタを茹でてイタリア風にしても感動する程の味に出会えた事はありません。イタリアで日本から持ってきた蕎麦を茹でても美味しくありません。イタリアの水は硬水、日本の水は軟水。その辺りが大きく影響している気がします。









































