イタリアの物価

イタリアの物価ー2023

イタリアの物価ー爆上げが続いています。大幅な物価高に対して賃金上昇は追いつかず。

COVID-19以前と比較して公共料金の値上げはイタリアでは2倍とか当たり前になっています。その他でも、なんで?って思えるものが大幅に値上がりしています。 ”イタリア式 ボッタクリ便乗値上”げです。

イタリアで暮らし始めたのは1996年の12月、それ以前は出張ベースで2~3か月に一度、イタリアに来ていました。2016年の9月からミラノで暮らし始めました。その当時、地下鉄の切符は1ユーロでした。そして、一日券が3ユーロでした。

ミラノの公共交通は、地下鉄、トラム、バスがあります。チケットは共通で使用出来て更に60分以内であれば乗り降り自由と言う非常に優れものでした。

2023年の現在(頻繁に料金が変更されますので注意)においても、共通で交通機関が利用出来て60分以内乗り降り自由ですが、料金は、

1.1回券 2.2ユーロ (90分利用可能)

2.一日券 7.6ユーロ

3.3日券 13ユーロ

1回券は、60分が90分なりましたが,どの券も倍以上(観光客から取れるだけとる)

例えば、東京の地下鉄初乗りが150円だとして、5年後に一気に300円になった感じだとどう思いますかね?(東京と大阪の地下鉄料金は世界最高水準に高いです。しかし、一気に上がったと言うより元々高かったんですよね。)勿論、ミラノの公共交通も一気に上がったわけではありません、例えば一日券、3ユーロから4ユーロ、そして5ユーロ、7ユーロで7.6ユーロ(少し誤差があるかもしれませんが)、僅か5年の間にこんなに頻繁に値上げしたわけです。

イタリアは、日本と異なり、一般的には交通費の支給はありません、自腹になります。

定期券は2016年では35ユーロだったのが、2023年では39ユーロです。(26歳以下はもっと安いです)こちらはそれ程値上げされていません。普通にチケットを購入する人は観光客なので観光客をターゲットにした値上げ大きいですね。それと、定期券を他のチケットの様に倍以上の値上げをしたら凄まじいストライキの嵐となりますからね。それにしても凄い値上げで、出張で日本から来た人達はこの値上げ率に驚いています。

レストランもかなり値上げされています。

ミラノのレストランの値上げ

先日、南フランスのニースに1週間程居たのですが、ニースの方がミラノよりもレストランのコストパフォーマンスが良かったです。宿泊は、アパートを1週間程借りたのですが、ニースの方が安いですね。ニースの方が労働者の賃金は遥かに高いですが、宿泊代は安く、外食費のコストパフォーマンスは良いです。

ミラノの外食代の高騰は酷いと感じています。マルガリータのピザ(水牛のモッツアレラとフレッシュトマト)15€、ミネラルウオーター 3€、席料 2€で合計20€でした。COIVD-19前と比較して2~3割も上がっていると思います。日本円で3000円近いです。ミラノのレストランで席について食事するのに一番安いレベルでこの金額です。

こちらは牛のすね肉 オッソブーコです。ポテトのローストを別に注文して40€、これにミネラルウオーターと席料で45€です。日本円で6500円位ですね。

これにプリモピアットとデザート付けたら、10,000万円にはなります。因みに、このレストランは高級ではなく、中級以下のレベルです。テーブルクロスもなく、紙のランチョンマットです。このレベルのレストランで夜は平均で10,000円と言う事になります。日本円が安くなった?からではありません。現在の為替レベル(2023年3月)よりも円安ユーロ高になっていた時期は沢山ありましたが、ここまで値段が上がった一番の原因は、各レストランが値上げしたからです。ホテルや宿泊所もそうですね。 しかし、労働者の賃金上昇率が僅かなのにこんなに値上げしてしまって、需要が続くのか心配です。

イタリアの物価は?

記載された円貨は、2020年の為替です。為替も物価も変動します。

1990年頃のイタリアの通貨はリラでした。本当に物価が安かったです。バスもコーヒー(エスプレッソ)も60円。外食しても2000円もあれば、パスタにお肉。(因みに、その頃のスペインは更に安かったです)列車もフィレンツェーミラノ間は特急で3000円位。紳士用の革靴(底も革使用)で10,000万円も出せばグレードの高い物が買えました。物価はどんどん値上がりして、通貨EUROになって一気に跳ね上がってしまいました。特に家賃の値上がりが生活しているものにとって大きな問題です。

2020年現在では、平均的なレストラン(高級店ではありません)での食事は、前菜、パスタ、肉(又は魚)とやると、40EURO(約5,000円)はします。家賃は、ミラノ中心から外れたところでも1,000EURO(1DK)はします(家賃の他に共益費があります。この広さで100~300EURO取られます。)。中心に近いと3,000以上は当たり前のレベルです。

ドイツのベルリンの友人が言うには、ベルリンだとその広さなら600EURO位からあるとの事です。(ドイツでも都市によって大分家賃は違うとの事)光熱費も高いです。東京と比べて安いと感じるのは、生鮮食品と交通費くらいかな?イタリア人に給与はそんなに良いのか?そんな事はありませんね。税金や保険が凄く高いので手取りの平均は1000~2000位です。(125,000円~250,000円。業種やポジションに依って違います。高給取りもいるし、もっと低い人もいます。この数字は一番多い割合)そんなんで、どうやって暮らしていくのか?まわりのイタリア人は、アパートで暮し、車や原付までもっています。(ガソリン代は日本より高いです。)携帯も新しいのを買い替えるし、夏はバカンスで2~3週間旅行へ行きます。この物価レベルでその給与でどうやってるの?って感じですよね。

アパートは、カップルであったり友人とシェアしている場合が多いです。貯蓄率は低いです。昔の江戸っ子(宵越しの金はもたない)ではありませんが稼いだお金は使う主義ですね。考えてみると当たり前なのかもしれませんね。何の為に働くか?生活をエンジョイするためですね。でも、このご時世、将来の為とか老後の不安がありますからね。イタリア人の様にお気楽に考えて暮らせるといいのでしょうが、中々、そこは簡単に割り切れるものでもありませんね。

イタリアでも都市に依って物価に大きな差があります。ローマ、フィレンツェ、ミラノ、ベネチアの四都市は、群を抜いて高いです。ミラノは、地下鉄が数本ありますから、多少、街の中心から外れていても不便ではありません。中心から離れていれば家賃も下がります。フィレンツェは、バスとトラムがありますが、バスは夜間遅くなると極端に本数が減る又はなくなるので不便です。しかし、街が小さいので自転車が便利です。(盗難が多いです。鍵は大き目のものを鉄柱等にくくりつけましょう。)

イタリアでの暮しは、余計な出費が少ないと思います。(平均的なイタリア人に関してです。)イタリアにはコンビニがないんですよね。(近頃は、24時間営業の小さなカルフールが出来ましたが。スーパーの小型版です。)あれば便利なのですがね。でも、仕事が終わってコンビニ、駅から降りてコンビニって感じで毎日の事なので結構な散財になりますよね。(日本を離れて生活してみて気が付いた事の一つですが)外食も高いので家で自炊すると大分安くなります。仕事が終わって飲みに行くと言うのはイタリアでも多いです。

ハッピーアワーと言うのがあります。大体夕方位から20時位までです。(イタリアの夕飯は21時頃が多いです。)ハッピーアワーの時間帯は、おつまみセットって感じでアルコールドリンクに色んなつまみがつきます。ミラノでも地域に依って値段は様々ですが、大体10EURO前後が多いと思います。(高級ホテルでもやっていますが、高いです。質はよいです。)つまみと言っても場所によってはかなりボリュームがあり、それだけでお腹いっぱいになってしまいそうです。(夕飯の必要なし)イタリア人は、普段はあまりお金を使わないで、たまの週末やバカンスに充てると言う感じが多いと思います。

追記 ↑を書いたのは2020年です。現在、2022年12月 コロナ禍の反動で物価は高騰しています。どこの国でもそうですが、物価を調べるには出来る限り最新の情報を入手してください。